こんにちは、ライトです。
▼ こんな経験、ありませんか?
たつや
あさみ
たつや
ライト
あさみ
ライト
ライト
正直、僕自身も長い間「提案書の質を上げれば通る」と信じていました。でも現場で何度も食らううちに、気づいてしまったんです。
勝負は提案書が出る前に、すでに終わっていることが多い、と。これって、知ってる人と知らない人で結果がまるで変わる話なんです。
この記事で渡すもの
「今それを優先すべきだ」と顧客社内が合意できる”脳内のバグ”を先に発見・攻略する技術
構造の理解も、立ち回りも、市場価値への転用も、全部これに向かう手段です。まずこれだけ頭に置いて読んでください。
この記事の全体像
良い提案が通らない構造的な理由を理解する
真面目な人ほど陥りやすい思考の歪みをMBA理論で解剖する
場面別に「何を聞き、何を渡し、何を言い換えるか」を具体化する
評価面談・転職面接で「通し方がうまい人材」として語れるようにする
中長期の市場価値向上につながる「脳内バグ攻略」の全体設計を掴む
現場の痛みと綺麗事の罠
B2Bの購買プロセスについて、こんなデータがあります。
買い手が売り手に最初に接触した時点で、すでに購買プロセスの約70%まで進んでいる。78%はすでに要件をほぼ固めており、84%は「最初に接触したベンダーが最終的に受注した」と回答している(6sense調査)。
つまり、提案書が出る前に勝負はかなり決まっている。「最後は提案書の質で決まる」は、半分しか当たっていないんです。
でも実際の現場では、こんなことが起きていませんか。
- 担当者の反応は良かったのに、2週間後に失速した
- 機能でも価格でも競合に勝っているのに、有名企業に負けた
- 記事や広告の施策は増えているのに、案件化しない
- 「予算がない」と言われて、値引きか来期持ち越しの二択になる
これ、能力不足じゃないんです。構造の問題です。
Gartnerの調査によると、B2Bの買い手グループは5〜16人規模に広がり、74%の買い手チームで不健全な対立が起きています。個人には刺さるが買い手グループ全体には刺さらないコンテンツは、合意形成に59%のマイナス影響を与えるとされています。
「担当者が乗っている=案件が進む」は、幻想なんです。
さらにLinkedIn B2B Instituteは、技術評価を通過して候補に残ったベンダーの約半数が、財務・法務・調達・オペレーションなどの”見えない審査者”によって落とされると整理しています。そして最終採用では、81%が「買い手グループの全員またはほぼ全員が最初から知っていたブランド」に決まる。
見えないところで、見えない人たちが判断している。これが現実です。
Redditの営業コミュニティでは「The hardest sale is internal!(最も難しい営業は社内営業だ)」という声が繰り返し共感を集めています。売る相手は顧客企業そのものではなく、顧客企業の社内事情。現場の人間が痛感している感覚が、ここに凝縮されています。
⚠️ このまま放っておくと危険!
「提案書を磨けば通る」という思い込みを放置すると、1年・2年でこうなります。
- 🔴 案件化率が上がらない負のループ
施策は増えるが、顧客の優先順位に入れないため、常に比較表の一行で終わり続ける - 🔴 担当者頼みで失速する案件が増え続ける
Hidden Buyerへの対策がなく、見えないところで落とされるパターンが固定化する - 🔴 「予算がない」を打ち返せないまま消耗する
値引きか先送りしか選択肢がなく、利益率・モチベーション双方が削られ続ける - 🔴 「施策担当」の評価から抜け出せない
実行はできても「案件を前に進める人」として見られず、評価・年収の天井が低くなる
⚡ 頑張り続けることが、むしろリスクになっている可能性があります。
問題は努力の量ではなく、どこで努力するかを間違えていることです。次のセクションで、その構造を解剖します。
なぜ真面目な人ほど損するのか
構造を整理します。表面と本質が、ずれています。
「提案書の完成度を上げれば通る」と信じている真面目な人ほど、実は一番重要な戦場を見逃しています。
顧客が比較しているのは「提案の出来」ではありません。「今やる理由があるか」です。プロジェクトが”正しそう”でも、”今やらない損”が明確でなければ後回しになる。これが一つ目の構造的原因です。
二つ目。担当者は賛成でも、見えていない決裁・審査・拒否権の層が握っています。財務・法務・情シスなど、技術評価とは別の基準で動く人たちが存在する。担当者向けにだけ良い話をしていると、そこで止まります。
三つ目。組織のKPI構造が、課題発見を後回しにさせています。マーケはリード数で測られ、営業は案件数で測られる。結果として、「施策を消化する」ことが仕事になり、顧客の頭の中の優先順位を変える仕事は誰もやらない。
これって、個人の能力の問題ではなく、評価される仕事の単位がずれているという構造問題なんです。
MBA理論でこう見る
① Jobs to Be Done(JTBD)
顧客は機能を買うのではなく、「社内で通せる理由」を買う。本当のJobは「ツール導入」ではなく、「失敗責任を負わずに業務改善を通す」こと。だから、ヒアリングで聞くべきは「どんな機能が欲しいですか」ではなく、「何が放置できないですか」「誰が止めますか」「何があれば社内で通せますか」。
② プロスペクト理論+現状維持バイアス
人は利得より損失を重く感じる。さらに現状維持は「安全」に見えるため、合理的な提案でも動かないことが多い。顧客に動いてもらうには、「改善メリット」を盛るより「放置コスト」を顧客の言葉で可視化するほうが効く。
僕自身、前職でこの構造に気づくまでに、相当な時間を無駄にしました。転職エージェント向けの求職者データベースを売っていた頃の話です。成果報酬型のサービスだったので、契約を取ることがゴールではなく、現場のコンサルタントに実際にスカウトを打ってもらわないと手数料が発生しない。当時の僕は「データベースの質」「候補者の豊富さ」を一生懸命説明していました。マネージャーは毎回「いいですね」と言ってくれる。でも現場は動かない。スカウトが打たれない。成果が出ない。この繰り返しでした。ある日、現場コンサルタントに直接聞いてみたんです。「このままスカウトを打たないと、他社に先に候補者を押さえられますよ。今月、何件の商談機会を逃していますか」と。すると表情が変わった。マネージャーではなく、使う人の「放置コスト」を言語化した途端、翌週からスカウトが動き始めました。製品は何も変えていない。「誰の、どの損失を可視化するか」を変えただけでした。
ライト
- 顧客は「機能」ではなく「社内で通せる理由」を買っている
- 動かない原因は「提案の質」ではなく「放置コストの認識不足」が多い
- 見えない審査者(Hidden Buyer)が案件を止めている
賢い立ち回り:場面別
では具体的に、何をどう変えるか。3つの場面で整理します。
【場面①】初回ヒアリングで「課題がぼんやりしたまま」進んでしまうとき
顧客が「リードの質を上げたい」と言う。すると多くの人は、MA施策やスコアリング改善の話に入ってしまいます。でもこれ、課題を確認したつもりで、課題の表面をなぞっただけです。
聞くべきはこの3つです。
- 「今いちばん困るのは、案件が足りないことですか、案件化しないことですか、それとも社内への説明がしづらいことですか」
- 「今の運用を放置すると、何が一番まずいですか」
- 「社内で通すには、どんな証拠があると助かりますか」
これを聞くことで、顧客が自分で「今やらないとまずい」と整理し始めます。
なぜ機能するか。課題が顧客の言葉で定義されると、後続の提案が「説明資料」ではなく「社内説得資料」になるからです。
「何が欲しいですか」より「何が放置できないですか」。たった一問の違いで、ヒアリングの深さが全然違うんですよね。
【場面②】担当者は前向きなのに案件が2週間止まったとき
賢い立ち回りのポイント:稟議支援キットの中身
提案書とは別に、1ページの「稟議支援キット」を部門別に作る。僕が支援の現場で実際に効果を確認してきた構成はこれです。
- CFO向け:「投資対効果」ではなく「投資回収期間(Payback Period)」を明記する。何ヶ月でコストが浮くか、数字で示す。
- 情シス向け:セキュリティ要件の整理と、既存システムへのAPI連携の有無・影響範囲を最初から添付する。情シスが一番嫌うのは「後から出てくる接続コスト」です。
- 法務・調達向け:機能比較ではなく、契約形態の柔軟性と途中解約リスクの有無を整理した比較表。「縛られるかどうか」を先に見る部門です。
担当者に「社内の誰が一番うるさそうですか」とストレートに聞いてください。「情シスが……」と言われたら、翌日までに「情シス専用の1枚」をPDFで送る。これだけで、担当者がそのまま社内でプレゼンしてくれる武器になります。
言う:「この案件、他に誰が気にする論点がありそうですか。財務・法務・情シス向けの要約も一緒に作ります。」
言わない:「担当者様が推してくだされば大丈夫です。」
なぜ機能するか。顧客社内では、製品比較より「合意形成コスト」が障壁になっています。論点別の資料を渡すと、提案の質より前に「通しやすさ」が上がるからです。
キャリア支援の中で、エンタープライズ営業の方が「担当者の反応は毎回良いのに、必ず2〜3週間で止まる」と相談してきたことがあります。一緒に商談を振り返ると、止める側の情シスや経理に対して一度も論点整理をしていなかった。「社内の誰が気にしそうですか」を聞いてから部門別に1枚ずつ資料を用意するように変えたところ、次の案件でそのまま稟議に上がりました。「提案する人」から「通す人」に役割が変わった瞬間です。
【場面③】「今期は予算が厳しい」と言われたとき
「予算がない」は多くの場合、「今その予算を使う優先理由が弱い」という意味です。ここで値引きや来期持ち越しの話をしてしまうと、相手の「現状維持バイアス」をさらに強化してしまいます。
やるべきは、支出の意味を変えることです。
- 「マーケ費」→「営業工数削減」
- 「新規施策費」→「手作業ロスの回収」
- 「システム導入費」→「監査リスク低減」
言う:「新規費用というより、今あるロスの回収案件として整理できます。」
なぜ機能するか。予算は金額だけでなく「意味づけ」で動くからです。支出の見え方を変えると、同じ投資でも通しやすい財布が見つかります。
「予算がない」を正面から受けると詰む。「どの財布から出すか」を変えるのが正解です。
ライト
仕事にカンニングする方法
ここまでの立ち回りを、評価面談・転職面接で使える言葉に変換します。
多くの人は「施策を実行しました」で止まります。でも、それでは評価の言語化が弱い。
- 「施策を実行した」→「顧客の導入障壁を特定し、稟議通過率を上げる訴求に再設計した」
- 「ホワイトペーパーを作った」→「財務・情シス・現場の論点別に意思決定支援コンテンツを作成した」
- 「提案書を磨いた」→「買い手グループ全体が合意しやすい情報設計に組み替えた」
面接でのセリフ例はこれです。
- 「顧客のニーズ収集だけでなく、社内承認で落ちる論点の抽出まで踏み込み、営業資料に反映しました。」
- 「機能訴求中心だった提案を放置コスト訴求へ変え、案件の優先順位付けを前倒しした実績があります。」
- 「リード獲得数ではなく、買い手グループ内の合意形成を進める情報設計に寄与しました。」
「施策を実行した人」ではなく、「案件を前に進めた人」として語れるようになる。この差が、評価と年収を分けます。
このハックで得られるリターン
短期・中期・長期で整理します。
短期(明日〜1ヶ月)
ヒアリングで聞く質問が変わります。「何が欲しいですか」から「何が放置できないですか」へ。担当者だけを追いかける動きが減り、社内の誰が止めるかを先に押さえる習慣がつきます。値引き交渉より先に「どの財布から出すか」を考えられるようになります。
中期(1〜3ヶ月)
評価コメントが変わります。「あの人、通し方がうまい」「視座が高い」「顧客の社内事情まで見えている」という言葉が出てきます。営業と経営企画の間を翻訳できる人として見られ始めます。
長期(転職・年収交渉)
転職市場では、「顧客理解がある」より「顧客の意思決定を動かした再現性がある」のほうが刺さります。KPI未達のときも「チャネルの問題」ではなく「課題定義の問題」として再設計できる人材は、どの会社でも希少です。
もっとズルくするには
基本の立ち回りをマスターしたら、さらに3段階上げる方法があります。
さらにズルくするなら①:Category Entry Points(CEP)を設計する
「どんな場面・役職・状況で思い出されたいか」を先に設計する考え方です。LinkedIn B2B Instituteが整理している通り、B2Bの最終採用では81%が「最初から知っていたブランド」に決まります。案件化後に強くなるだけでなく、案件化前の「候補入り」を取りにいくには、どの場面で想起されるかを設計することが重要です。中長期の指名獲得を狙うマーケターに特に有効です。
さらにズルくするなら②:同じ案件を「役職別の言葉」で複線化する
担当者向けの訴求だけでなく、CFO・法務・調達・情シスそれぞれに「同じ案件を別の言葉で言い換えたコンテンツ」を同時に用意します。エンタープライズ・複数部門案件・長期商談では特に効きます。基本が「担当者の共感を取りにいく」なら、応用は「合意形成そのものを設計する」です。
さらにズルくするなら③:「どの財布から出るか」を事前に翻訳しておく
価値訴求を「売上アップ」一本から「損失回避・コンプラ回避・工数圧縮」へ複線化し、どの予算科目に近いかを事前に整理しておきます。経営企画・営業企画・PMM寄りで社内外の言語変換が得意な人に特に向いています。ただし、数字の粉飾や無理なROI作成は信用を損ないます。
やりすぎると逆効果な点
ここまで「脳内バグを攻略する技術」を紹介してきましたが、使い方を間違えると信用を削ります。明確にしておきます。
NG①:不安を煽るだけ煽って導入コストを隠す
「危ないですよ」「このままだとまずいです」だけで押す使い方。放置コストを事実ベースで示すのはOKですが、恐怖を誇張したり、都合の悪い条件を隠すのは別物です。短期では刺さっても、長期で信用を失います。
NG②:緊急でない案件に「Why now」を捏造する
実際には急がなくて良い案件に無理やり締切や恐怖を盛ると、現場から「売り込み臭い」と見抜かれます。現場の実務者コミュニティでも「Why nowを作れないなら先送りになる」という声がある一方、「作ればいいというものでもない」という指摘も多い。
NG③:Hidden Buyerへの対策が「社内政治の煽り」になる
特定部門を悪者化したり、「情シスが反対しているので上から通してください」という動かし方は危険です。Hidden Buyerに刺さる前に、Hidden Buyerに嫌われます。
また、この戦略が通用しにくい場面もあります。既に調達仕様が固定化された入札、トップダウンで既存ベンダー継続が確定している案件、法規制で導入可否がほぼ決まる領域では、立ち回りの余地は限られます。
「通し方を設計する」のは有能。「騙して通す」は別物。この線引きを守ることが、長期の信用と市場価値を守ります。
私の感想
正直に言います。
僕も、かつては提案書を磨くことが仕事だと思っていました。比較表を作り込んで、事例を増やして、価格も調整して。それでも通らないとき、「自分の力不足だ」と思っていた。
でも実際は、勝負する場所を間違えていただけでした。
キャリアコンサルタントとして数多くの方の支援をしてきました。その中で繰り返し目にするパターンがあります。施策の実行量は誰より多いのに、案件化率が低くて自己評価が下がっている方。一緒に商談を振り返ると、決まって同じ盲点があります。顧客の社内で何が障壁になっているかを、一度も直接聞いたことがない。ヒアリングの質問を変えてもらうだけで、顧客が自分で「このままだとまずい」と言い始めます。「こんなに変わるんですね」という反応を、何度も見てきました。
「頑張るな」という話じゃないんです。
頑張る方向を、一つ変えるだけ。それだけで、結果が変わり始める。
知ってる人と知らない人で、差がつくのはここなんです。
ライト
▼ 読み終えてどうですか?
たつや
あさみ
たつや
ライト
結論
この記事で伝えたかったのは、一つです。
顧客の予算を動かすのは、立派な提案書ではない。「今それを優先すべきだ」と顧客社内が合意できる”問題定義”を、先に握った側が勝つ。
JTBDで見れば、顧客は機能ではなく「社内で通せる理由」を買っています。プロスペクト理論で見れば、「改善メリット」より「放置コスト」のほうが人を動かします。Hidden Buyerの存在を知れば、担当者だけを口説くことがどれだけ非効率かわかります。
これは単なる処世術ではありません。
「施策担当」で終わらず「案件を前に進める人」として見られること。営業・プロダクト・CS・経営企画の間を翻訳できること。KPI未達のときも「課題定義の問題」として再設計できること。これらはすべて、再現性ある市場価値として転職市場でも評価されます。
僕がキャリア支援の現場で、何百人ものビジネスパーソンのキャリアシートと向き合ってきてはっきり断言できることがあります。「施策の実行屋」として語る人と、「顧客の合意形成を設計した人」として語れる人では、面接での刺さり方がまるで違う。これは体感ではなく、支援の現場で繰り返し目にしてきた事実です。
「MAツールを運用してリードを増やしました」と言える人は、正直、五万といます。でも「顧客のHidden Buyerがどの論点で案件を潰しにくるかを逆算し、営業プロセス全体に意思決定支援の情報設計を施しました」と言い切れる人材を、成長企業は喉から手が出るほど求めています。この視点を持っているかどうかが、キャリアの分岐点になるんです。
明日の商談で「今のままだと何がまずいですか」と問いかけるその一瞬は、単なる営業テクニックではありません。自分自身の市場価値を変えるターニングポイントになり得ます。頑張り方を変えずに、勝ちやすい場所に立てるようになる。それがこの技術の本質です。
すべての挑戦者の手に、勝てる「戦略」を。戦略を知れば、世界は読み解けるゲームに変わる。その確信と武器を届けることが僕のミッションだ。

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