こんにちは、ライトです。
▼ あるある、この気まずさ
たつや
ライト
さち
ライト
たつや
ライト
恥ずかしながら、かつての僕もその一人でした。
キャリアコンサルタントとして相談に乗る側になる前、自分自身が転職活動をしていた頃の話です。第一志望の会社から内定をもらって、舞い上がっていた。エージェントから「年収の希望を伝えておきます、現年収はいくらですか?」と聞かれて、秒で答えてしまいました。「○○万円です。できれば少し上がれば嬉しいんですが…」と。
その後提示されたオファーは、現年収からほんの少し上乗せしただけの数字でした。そのときは「まあ、上がったし良かった」と自分に言い聞かせていた。でも入社後しばらくして、同じポジションで入った中途の同僚が、自分よりはっきり上の年収スタートだと知った。スキルセットはほぼ同じ。違いは何だったかというと、彼は「前職年収が高かったから」ではなく「今回の役割に見合う金額を根拠を持って提示した」からでした。
そのとき初めて、胃の底が冷えるような感覚で理解しました。負けたのは能力じゃない。最初の「価格設計」で負けていたのだと。
転職は「自分株式会社の経営」です。どの市場に、どの価格で、どう売り込むか。その設計を持っている人と持っていない人では、同じ能力でも結果が変わります。構造の話です。
ライト
この記事はこんな人におすすめ!
- エージェントに言われるがまま動いていて、なんとなく不利な気がしている人
- 年収交渉に苦手意識があり、提示額をそのまま受け入れてしまいがちな人
- 精神論ではなく、転職を構造・戦略で考えたい20〜30代の社会人
この記事で言いたいことは、一つだけ
この記事の結論
転職で値引きされる人は能力が低いのではなく、面接を商談ではなく告白だと思い、価格設計を放棄している。
経営戦略も、動き方も、交渉術も、全部これに向かう手段です。まずこれだけ頭に置いて読んでください。
この記事の全体像
転職市場は活況でも、個人レベルでは「設計した人」だけが高く売れる構造になっている。
交渉力は面接当日ではなく、書類・並走・情報開示の順番で決まっている。
BATNA・シグナリング・情報の非対称性の3つで、転職を「CEO目線の商談」に変換する。
書類・現年収の返し方・並走設計・オファー交渉まで、Before/Afterで使えるアクションを示す。
複数内定・現職残留・市場価値の見せ方まで含めた「上級者の使い方」を紹介する。
転職市場の残酷な現実
まず数字を一つだけ確認しておきます。
2024年の転職者の転職後平均年収は509.3万円。転職前より平均22万円増えています(マイナビ転職動向調査2025年版)。数字だけ見ると「転職したら上がる」に見える。でも、これって平均値です。
上げ幅を設計できた人と、できなかった人が混ざった数字です。「転職すれば自動で上がる」わけじゃない。交渉・見せ方・案件選定を設計した人に上げ幅が寄っているだけ、ということです。
一方で、2026年3月のdoda転職求人倍率は2.39倍と高水準を維持しています。市場の採用需要は強い。でも同時に、転職希望者数も前年比14.5%増で伸びています。「売り手市場だから楽勝」ではなく、比較材料がない候補者・書類が弱い候補者は、安くても決めやすい人材として扱われます。
そして、もう一つ見落としがちな構造があります。エージェントの話です。
エージェントの収益源は企業からの成功報酬です。dodaは採用者の理論年収35%がフィー、リクルートも完全成果報酬型。つまり、エージェントの売上を直接払うのは企業側です。「求職者の長期利益」より「成約させること」が優先されやすい構造になっている。エージェントを悪者にしたいわけではありません。これは個人の問題ではなく、ビジネスモデルの話です。
だから、エージェントに言われるがまま動く人ほど、応募順・比較順・承諾タイミングを相手に主導されやすくなります。
⚠️ このまま放っておくと危険!
「普通に転職活動を続ける」状態を放置するとどうなるか。
- 🔴 現年収が次の年収のアンカーになる
「現年収は?」に正直に答えた瞬間、過去の安値が交渉のスタート地点にされます。 - 🔴 1社集中でBATNAがゼロになる
他社選考がないまま進むと「この会社でないとダメ」という依存構造になり、条件を飲みやすくなります。 - 🔴 書類が業務列挙で終わり、シグナルが届かない
「幅広く担当」「丁寧に対応」だけの職務経歴書では、高単価の候補者として見てもらえません。 - 🔴 入社後に「もっと取れたかも」と気づく
入社後は等級制度・既存社員との整合性で初期条件を覆しにくい。オファー前が唯一の交渉窓口です。
⚡ 知らずに動き続けることが、最大のリスクになっている可能性があります。
個人の努力不足ではなく、構造の問題でもあります。次のセクションで、そのボトルネックを分解していきます。
なぜ普通に動くと買い叩かれるのか
転職市場で不利になる理由を「準備が足りない」「交渉が苦手」で片づける人は多いです。でも、本当のボトルネックはそこじゃない。
表面的な問題は「面接でうまく話せない」「希望年収を言うと不利になりそう」「交渉で押し切られる」といったことです。でも、構造要因を見ると話が変わります。
企業は短時間で不確実な相手を評価しなければならないため、観測可能なシグナルに頼ります。そのシグナルが弱い人は、低単価として処理される。つまり、本当のボトルネックは「経験を成果・再現性・希少性の言葉に変換できていないこと」です。
次に、情報の非対称性の問題があります。企業は予算レンジ・比較候補・採用緊急度を知っている。でも候補者はそれを知らない。だから先に数字を出して、アンカーを渡してしまう。相場の参照点がなければ、「高すぎる」か「安すぎる」かの判断軸もないまま進むことになります。
そして最大のボトルネックが、BATNAの弱さです。「この会社がダメでも次がある」という状態になっていない。1社集中・現職残留プランなし・選考時期のズレ。これが揃うと、依存度が高くなりすぎて交渉の余地がなくなります。
つまり、交渉力はオファー面談ではなく、その前の設計で実質的に決まっているのです。知っている人と知らない人の差は、会話の上手さではなく、応募設計・書類のシグナル強度・並走のタイミングで出ます。
自分株式会社の経営戦略
ここからは、転職活動を「自分株式会社のCEOとして経営する」視点で整理します。理論名から入るより、「こう設計すると有利になる」という使い方から入りましょう。
設計①:代替案を持つ(BATNAの発想)
交渉力は「話し方」ではなく「代替案の強さ」で決まります。この考え方を明示したのがBATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)という概念です。
自分株式会社の戦略でこう見る
BATNAとは、交渉が不成立でも取れる最良の代替案のこと。転職では「他社選考」「現職残留」「転職時期を遅らせる余裕」がBATNAになります。これが強いほど、不利な条件を断れる。Harvard PONも「弱いBATNAは開示しない、強いBATNAも早出しは避ける」と明言しています。
ここで「強いBATNA」と「弱いBATNA」を、自分の現状に当てはめて考えてみてください。
強いBATNAの状態とは、たとえば「現職の人間関係は悪くなく、急いで辞める理由が正直ない」「来月の評価面談で何らかの処遇改善が見込まれている」「他社の選考が並走していて、そちらのオファーも魅力的」。こういう状態にあると、条件の悪い提示を断るときの腹の据わり方が違います。相手もそれを察します。
一方、弱いBATNAの状態とは、「有給消化が終わったら無収入になるので今月中に決めたい」「すでに退職日が確定していて後がない」「この1社しか受けておらず、落ちたら振り出しに戻る」。こういう状態では、どんなに強気のセリフを使っても、焦りが交渉の空気に滲み出ます。提示条件を飲まざるを得なくなりやすい。
交渉力のある候補者と買い叩かれる候補者の差は、多くの場合この「状態」から生まれています。だから、BATNAを強化するとは「いい会社を見つける」より前に「依存度を下げる状況を作る」ことです。
自分株式会社のCEOとして変えるべきことは、「1社目に受かることを最適化しない」ことです。2〜3本の意思決定ルートを持ち、最終面接とオファーが重なるように設計する。この発想だけで交渉姿勢が根本的に変わります。
差が出るのはオファー面談より前です。応募順、面接日程の調整、返答期限の管理。知っている人は時期を重ね、知らない人は来た順に処理します。
設計②:高く評価されるシグナルを作る(シグナリングの発想)
なぜ同じ「法人営業5年」でも値段が違うのか。企業は応募者の真の生産性を直接見られないため、学歴・経歴・成果などのシグナルで期待値を推定します(Spenceのジョブ・マーケット・シグナリング理論)。
自分株式会社の戦略でこう見る
強いシグナルとは、能力の低い人ほど真似しにくいコスト差を伴うものです。難易度の高い案件での成果、予算責任、マネジメント人数、希少スキル、継続的な改善実績。これらが書類・面接に盛り込まれていると、「高くても欲しい」という印象を先に作れます。「担当した」より「何を変えたか」を言語化する。これが核心です。
「そうは言っても、自分には人に誇れる実績なんてない」と思う人もいると思います。でも、シグナルは職種や経験年数に関係なく、言語化次第で作れます。
たとえば営業なら「受注しました」ではなく「新規受注率を○%→○%に改善し、提案プロセスを標準化してチームに展開した」。バックオフィス系なら「業務を担当しました」ではなく「属人化していた手順をマニュアル化し、引き継ぎ期間を半減させた」。どちらも特別な資格やスキルがなくても書けます。
共通点は「自分が何かを変えた」「その結果が数字や状態の変化で見える」「再現できると伝わる」という3点です。サボりたい人・コスト意識がない人には絶対に真似できない手間と判断のコストがかかっているエピソード。それこそが、企業が高値をつけたくなるシグナルになります。
設計③:情報格差を埋める(情報の非対称性の発想)
企業は予算レンジ・比較候補・採用緊急度を知っていて、候補者は知らない。この格差が「買い叩かれる構造」の根本です。でも、ここを埋める最も有効な手段がすでに手元にあります。そう、転職エージェントです。
エージェントは企業の採用担当と日常的にやり取りしています。「この求人、実際の年収レンジはどの帯ですか」「このポジション、過去の内定者はどのくらいで決まっていますか」「今この企業、採用緊急度は高いですか」。これをエージェントに聞かない手はありません。彼らはその情報を持っています。
エージェントを「応募を代行してくれる人」だと思っている人は、この情報源を活かし切れていません。正しい使い方は「企業の内部情報を引き出す情報収集チャネル」として機能させることです。複数のエージェントに同じ企業・同じポジションを当たらせると、レンジの帯が見えてきます。1社だけのヒアリングより、横断して比較する方が精度が上がります。
情報を持っている人は、エージェント経由のオファー交渉でも「この責任範囲なら市場はこのレンジのはずですよね」と根拠を持って動けます。知らない人は「思ったより低いんですが…」という感想しか伝えられません。感想と根拠では、エージェントが企業に対して動ける質が全然違います。
ライト
買い叩かれない戦略と動き方
理論を実務に落とします。4つのアクションで整理します。
① 職務経歴書を「不可欠なソリューション提案書」に変える
書類選考前・スカウト返信前・一次面接前に使うアクションです。
Before:「営業職を幅広く担当し、お客様に丁寧に対応してきました。」
After:「エンタープライズ新規営業で受注率18%→27%、単価1.3倍に改善。提案の標準化を設計・導入し、チーム全体の再現性を高めました。」
なぜAfterが効くか。企業は短時間で値付けをするので、成果が先に見えると「高くても欲しい」シグナルになります。やりすぎると危ないのは、数字を盛りすぎること。面接の深掘りで崩れると、その後の信頼まで失います。
これって、いい話をするとかじゃなくて、見せ方を変えるだけなんですよね。同じ経験が、全然違う値段になります。
② エージェント面談で「現年収アンカー」を渡さない
年収交渉の本番は企業との面接ではなく、エージェントとの面談から始まっています。ここで現年収をそのまま渡してしまうと、それが次の年収の出発点にされます。
Before:「今は○○万円です。できれば少し上がれば嬉しいんですが…」
After:「今回の役割と期待値に対して、市場レンジはどのくらいか教えてもらえますか。私は○○〜○○万円を想定しているんですが、御社が紹介できる求人だとどのあたりになりますか。」
そのまま使えるセリフ例(エージェント面談用)
「応募前に確認したいのですが、このポジションで過去に内定された方はどのくらいの年収で決まっていますか。また、企業側が想定しているレンジがあれば教えていただけると、判断しやすいです。」
ただし、このAfterのセリフを使うと、エージェントは一瞬「ウッ」となります。手の内を先に出したくないわけですから。実際に試したとき、「企業によって異なるので一概には…」とはぐらかされたことがありました。
そこで怯まず、「では同等クラスの採用実績での平均的な帯だけでもいいです」と、レンジだけ取りにいく。この粘りがあるかないかで、その後エージェントが企業に対して交渉してくれる水準が変わります。エージェントも「この候補者は相場を知っている」と認識すると、企業への打ち返し方が変わるんです。
現年収は必要になれば伝えればいい。まず役割価値と市場レンジを先に確認する。この順番を守るだけで、会話の主語が変わります。
③ 複数社並走を「重ねる」設計にする
応募設計から最終面接直前まで使うアクションです。
Before:「とりあえず出せるだけ出してください。来た順に処理します。」
After:「A群は本命、B群は比較用、C群は市場確認用に分けます。最終面接が重なるように進めたいです。」
件数を打つのではなく、タイミングを揃えることが肝です。これによってBATNAが実体を持ち、「今ここで決めなくてもいい」という姿勢が生まれます。存在しない選考を匂わせるのはNG。虚偽になった瞬間に終わります。
④ オファー交渉はエージェントに「再査定依頼」を代行させる
内定が出た後、年収交渉を候補者が企業の面接官に直接する必要はほぼありません。それがエージェントを使う最大の実利のひとつです。「交渉する」という空気を候補者と企業の間に直接持ち込まず、エージェントを緩衝材として使う。これが正しい設計です。
Before:「ちょっと低いですが、せっかく内定が出たので受けます。」
(エージェントにも「お世話になりました」で終わらせてしまう)
After:エージェントに対して、「正直に言うと、今回の役割期待と市場水準を踏まえると、もう少し整合的な水準があると思っています。企業側に再検討の余地があるか確認していただけますか。私の志望度は高いので、そこがクリアになれば前向きに進めます。」
そのまま使えるセリフ例(エージェントへの依頼用)
「オファーをいただいたことは嬉しいです。ただ、今回担う役割と責任範囲を考えると、○○〜○○万円のレンジが市場水準としては整合的だと思っています。エージェントさんから企業に再検討いただけるか打診してもらえますか。強引な交渉ではなく、根拠を持った確認として伝えていただけると助かります。」
この依頼の仕方がポイントで、「上げてほしい」ではなく「根拠のある再確認をお願いする」という依頼です。エージェントも動きやすくなります。そして、ここで根拠になるのが②で事前に引き出していた「市場レンジの情報」です。エージェントを使った情報収集が、交渉代行の質に直結するんです。
UCLA Andersonが紹介する調査では、交渉した候補者は平均12.45%の条件改善を得ています。交渉しないことで起きる取りこぼしの方が、ずっと大きいんです。
中長期の視点でも伝えておくと、転職活動は一回で終わりではありません。半年〜1年ごとに外部市場価値を点検し、現職での経験を「次の転職で高く売れる形」で積み上げていく。単純担当→改善→仕組み化→育成→予算責任、という順でキャリアを設計できると、転職するたびに市場価値が積み上がっていきます。
ライト
さらにズルくするなら
基本のアクションをマスターしたら、次のレベルの使い方があります。
さらにズルくするなら①:複数内定のカードを再査定に使う
並走するだけでなく、オファー期限・役割差・条件差を整理して「再提示材料」に変えます。同職種で複数社から評価されている状態になると、「この人は市場で選ばれている」という印象を相手に持たせられます。現職の昇給交渉にも転用できます。
さらにズルくするなら②:現職残留もBATNAに入れる
転職一本化ではなく、「残る選択肢」を実際に強くしておく。内定条件が微妙なとき、現職に改善余地がある場合は、残留可能性があることで交渉姿勢が安定します。辞める前提で焦るより、余裕のある姿勢の方が相手に好印象を与えます。今すぐ逃げる必要がない人ほど効果的です。
さらにズルくするなら③:外部オファーを社内再査定のトリガーに使う
転職しなくても、外部から高評価を得た事実を社内の役割再定義・処遇交渉の材料にできます。「市場評価も踏まえ、役割と処遇の整合性を相談したいです」という一言は、転職を決めていなくても使えます。現職での成果が明確で信頼関係がある人ほど、この使い方が効きます。
このハックで得られるリターン
短期・中期・長期で整理します。
短期(書類・面談の変化)
職務経歴書の冒頭3行を「課題・打ち手・成果」に変えるだけで、書類通過率と面談での扱われ方が変わります。「どんな仕事をしてきたか」ではなく「何を解決できる人か」として見られるようになる。面談での会話の質が上がります。
中期(年収オファーの変化)
並走設計とシグナル強化が揃ってくると、初期提示レンジが上がりやすくなります。「この人、他社でも評価されてるんだろうな」という印象を先に作れると、交渉が「お願い」ではなく「再査定の依頼」として受け取られます。年収だけでなく、退職金・評価見直し時期・タイトル・リモート比率など、総報酬で取りにいけるようになります。
長期(市場価値の積み上がり方)
転職を「一回の勝負」ではなく「継続的な市場価値の設計」として捉えると、転職するたびに自分の値付けが上がっていきます。半年ごとにスカウト反応やjob tagで市場価値を点検し、現職で積む経験を「次で高く売れる形」に変えていく。これが「自分株式会社の中長期経営」です。
やりすぎると逆効果な点
ここまで読んで「全部やろう」と思った人は、少し待ってください。やりすぎると逆効果になる境界線があります。
NGその①:実績を盛りすぎる
数字を誇張する・本人寄与率が低い成果を自分の手柄として出すと、面接の深掘りで崩れます。崩れた瞬間に、条件だけでなく信用まで失います。Harvard PONも、強引な姿勢やハッタリを避けるべきと明言しています。
NGその②:BATNAが弱いのに強く出る
他社内定がないのに匂わせる、期限を偽る。これは交渉ではなく虚偽です。相手に見抜かれた瞬間、全部終わります。Harvard PONは「弱いBATNAは開示しない」と言っていますが、「存在しないBATNAを作り話にする」とは言っていません。
NGその③:エージェントを「雑に使う」か「全部任せる」か
エージェントを使い倒す設計は有効ですが、辞退を放置する、言ったことと企業側への説明がズレる、承諾直前に急に条件を上積みするといった使い方は逆効果です。エージェントが企業に対して候補者の代弁者として動けるのは、信頼関係があってこそです。主導権を持って使うことと、雑に扱うことは全然違います。
NGその④:短期年収だけ追って長期キャリアを傷つける
実質できないマネジメント責任を受ける、タイトル先行でスキルが伴わない。次の転職で逆回転が起きます。短期年収最適化と中長期の市場価値最適化は、しばしば衝突します。だから「今いくら」だけでなく「次にどう高く売れるか」まで含めて判断すべきです。
ここまでは有効、ここからは危険、という線引きはシンプルです。事実ベースで再評価を求めるのは有効。存在しないオファーを匂わせる・実績を盛る・内定期限を偽るのはNG。この記事は「うまく戦う」の話であって、「嘘をついてでも取る」の話ではありません。
私の感想
正直に言います。
僕がキャリアコンサルタントとして転職支援をしていた頃、相談者の多くが「現年収に合わせてもらえれば」「御社の規定に従います」という言い方をしていました。謙虚さから来る言葉だと思うんですが、あれは価格主導権の放棄なんです。そして、かつての自分もやっていた。だから余計に、もったいないと思う。
この記事で伝えたかったことは3つです。交渉力はオファー面談ではなく、その前の設計で決まる。エージェントは応募代行者ではなく、情報収集と交渉代行を担わせるチャネルである。面接は自己PRではなく、再現可能な成果を売る商談である。この3つを知っているかどうかで、同じ経験年数でも年収の水準が変わります。
これ、知ってる人と知らない人で差がつくんですよね。才能や努力の差じゃなくて、視点の差なんです。
ライト
▼ 読んでみてどうでした?
たつや
さち
ライト
結論
結局、これだけです
転職市場で買い叩かれるのは能力の問題ではなく、価格設計を「誰か任せ」にしていることの問題です。
BATNA・シグナル・情報戦略は全部この一点に向かう手段。まず「自分が価格設計をする側に立つ」という視点から始めてください。
転職活動を「応募して、面接して、オファーをもらう作業」として捉えている人は、残念ながら相手のペースで値付けされます。でも、「自分株式会社の市場参入を設計する経営判断」として捉えると、全部の行動が変わります。
書類は提案書になり、面接は商談になり、エージェントは情報収集チャネルになる。並走設計はBATNAを作り、現年収の返し方は価格主導権を守る行為になる。
この記事を閉じたら、今すぐ3分だけ、自分の職務経歴書の冒頭を開いてみてください。「円滑なコミュニケーションを心がけ」「幅広い業務を担当」という言葉が並んでいませんか。今日、その一行を「自分が解決した最大の課題・打った施策・残した数字」の3行に書き換えることが、あなたの自分株式会社が買い叩きへの反撃を開始する、最初の経営判断です。
「転職活動をした」ではなく「自分株式会社を経営した」と言えるように動いてください。その視点が、長期的な市場価値の積み上がり方を変えます。
すべての挑戦者の手に、勝てる「戦略」を。戦略を知れば、世界は読み解けるゲームに変わる。その確信と武器を届けることが僕のミッションだ。

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