こんにちは、ライトです。
結論から言います。年収が上がらないのは、あなたの努力不足ではありません。市場価値を「スキル一覧」ではなく「誰の課題を解けるか」という立ち位置で語れていないだけです。
ケニー
さち
ライト
正直、転職相談を受けていると「頑張ってきたのに評価されない」という声を本当によく聞きます。でも、その多くは本人の能力不足ではなく、市場での立ち位置の見せ方の問題なんです。
転職エージェントは成功報酬型のビジネスです。つまり、決まりやすい求人・決まりやすい年収帯を優先して提案する構造的なインセンティブがあります。求職者の長期的な幸福よりも「早く決まること」が優先されやすい、という現実は知っておいた方がいいです。
つまり、普通に転職活動をすると、構造的に損をしやすい。これは性格や能力の話ではなく、情報の非対称性とインセンティブの歪みという、ビジネス構造の話なんです。
ライト
この記事で渡すもの
市場価値はスキル一覧ではなく「誰の課題を解けるか」という立ち位置で決まる。その構造を理解し、自分株式会社のCEOとして交渉に臨むための判断軸です。
感情的な転職ではなく、「情報」「市場価値」「交渉」の3点で戦略的に選ぶフレームワークです。
この記事の全体像
市場の構造的な現実を知る。エージェントのインセンティブと採用企業の値付けの仕組みを押さえる
自分の市場価値を「スキル×市場需要×ネゴ力」の3軸で冷静に測る
現状評価から交渉準備までの判断フローを組み立てる
情報収集と人事との対話で、交渉の材料を集める
転職と内部転換、両方の選択肢を天秤にかけて決める
転職判断の前提
まず知っておいてほしいのは、求職者がよく信じている「勘違い」です。「自分のスキルや頑張りがそのまま市場価値になる」「エージェントは自分の味方」「年収は交渉次第で大幅アップできる」。この3つ、正直かなり危険な思い込みです。
実際は、市場価値は「誰のどんな課題を解けるか」という立ち位置と、成果の再現性で決まります。努力の総量ではなく、構造的なポジショニングの問題なんです。
採用企業側も、実は結構シビアに足元を見ています。現年収、現職の給与テーブル、業界相場、他社の選考状況。ここを把握したうえで、情報が少ない求職者には低いオファーを出しやすい。これは意地悪ではなく、企業としては合理的な行動なんです。
だからこそ「感情的な転職」と「戦略的な転職」は分けて考える必要があります。感情的な転職は、今の職場への不満や焦りが起点になっていて、条件面での検証が浅いまま動いてしまう。戦略的な転職は、市場価値を数字で把握したうえで、複数の選択肢を比較して動きます。
実際、転職者のうち約39.7%が年収アップを実現し、その平均額はおよそ19万円というデータもあります。一方で、年収交渉を実際に行った人の9割以上が何らかのアップを引き出せているという調査結果もある。つまり、交渉するかしないかだけで、結果に大きな差が出ているということです。
ライト
市場価値を冷静に測る
ここからは、自分の市場価値をどう測るかという話です。僕がキャリア支援の現場でずっと使ってきたのは、「スキル×市場需要×ネゴ力」というシンプルな3軸です。
転職判断でこう見る
市場価値は単体のスキルの高さでは決まりません。そのスキルが「今どれだけ需要のある課題」に紐づいているか、そして提示された条件をどれだけ交渉で引き上げられるか。この3軸の掛け算で、実際の年収レンジが決まっていきます。どれか1つが高くても、他が弱いと市場価値は伸び悩みます。
これって、椅子理論とも重なる話なんです。年収は本人の努力量ではなく、業界・企業・役職という「どの椅子に座っているか」で大きく変わる。同じ実力の人でも、成熟した業界の管理部門にいるのと、成長業界の事業責任者にいるのとでは、市場での値付けがまったく違います。
正直、自分の現在地を知らないまま転職活動を始めるのは、値札を見ずに値引き交渉をするようなものです。まずは客観的に、自分の立ち位置を把握するところから始めた方がいいです。
まずは無料のキャリア診断ツール(3分)で、自分の潜在年収を確認してみてください。
転職判断フロー
現在地が見えたら、次は判断フローに落とし込みます。ここでも椅子理論が核になります。今の椅子で稼げる金額と、市場での自分の値段を比較して、はじめて「動くべきか」が見えてくるからです。
転職判断フロー:現状評価から交渉準備まで
- ステップ①:今の椅子でいくら稼げているか、給与テーブルの上限も含めて把握する
- ステップ②:「スキル×市場需要×ネゴ力」の3軸で、市場での自分の値段を診断する
- ステップ③:企業IR・採用サイト・人事との対話・内情打ち明けの順で情報を複層化し、ギャップとネゴ材料を洗い出す
チェック項目
今の椅子と市場価値の差が5%未満なら、内部での役割変更を先に検討する余地があります。差が大きい場合のみ、転職の優先度が上がります。
ここで大事なのは、内部異動という「椅子を変える」選択肢も、最初から排除しないことです。転職はあくまで手段の1つであって、目的ではありません。
ライト
転職前にやるべき情報収集
情報収集は、公開情報・人事との対話・内情打ち明けの3段階で複層化していくのがおすすめです。
まず公開情報。求人票やコーポレートサイトだけでなく、doda等の年収データベースで同職種・同経験年数の相場感を掴んでおきます。これがないと、企業側の提示額が高いのか安いのかすら判断できません。
次に人事やエージェントとの対話。ここで大事なのは、現年収を正直に伝えつつも、そのまま丸腰で終わらせないことです。「現年収はこの水準ですが、実績としてはこの成果を出していて、市場ではこのくらいの水準だと認識しています」というように、事実と市場データをセットで伝える。これだけで、足元を見られるリスクはかなり下がります。
3社以上のエージェント・求人ルートを並走させておくのも重要です。読者の方から聞いた話ですが、エージェント1社に完全に頼っていたら、決まりやすい求人ばかり優先的に案内されて、後から「もっと市場を見ておけばよかった」と後悔したというケースもよく聞きます。逆に、複数社を比較しながら進めた人は、年収面でも配属面でも、納得感のある着地をしていることが多いです。
ライト
人事と対話する時の型
情報が集まったら、次は対話の型です。質問の型、提案の型、交渉の手順、この3つに分けて考えます。
質問の型は、相手の課題を引き出すことが目的です。「このポジションで、直近半年でいちばん解決したい課題は何ですか」というように、具体的な業務課題を聞き出す。ここで得た情報が、そのまま次の提案の材料になります。
提案の型は、自分の実績を「業務内容の羅列」ではなく「課題解決のストーリー」として語ることです。「前職では、こういう課題に対して、こういう施策で、こういう成果を出しました」という順番で話すと、相手は自社の課題に置き換えて聞いてくれます。
正直な話をすると、以前相談を受けたAさんは、職務経歴書がほぼ業務内容の羅列だけで、面接でも「頑張りました」しか言えていませんでした。そこで、成果を数字で分解し、課題解決のストーリーに書き直しただけで、通過率が明らかに変わったんです。企業側からすると、レジュメがそのままパワーポイントの箇条書きみたいになっている人は、正直「この人、自分の仕事を構造化できていないのかな」と見えてしまう。逆に、課題と成果がセットで語れる人は、それだけで一段階、信頼度が上がります。
交渉の手順としては、オファー後がいちばん大事なタイミングです。感謝を伝えたうえで、「実績と市場相場を踏まえると、この水準が妥当だと考えています。調整は可能でしょうか」と、事実ベースで切り出す。感情論ではなく、根拠を示すことがポイントです。
ライト
このポジションで得られるリターン
戦略的に動いた場合のリターンは、大きく3つに分けて考えられます。
1つ目は年収です。複数社を並走させて交渉した場合、相場に対して5〜15%程度のアップは現実的な範囲ですし、条件が揃えば10〜30%のアップにつながる事例もあります。ただし、これは業界や職種、年齢によって大きく変わるので、誰にでも当てはまる数字ではありません。
2つ目はスキル成長です。市場価値の高い椅子に移ることで、経験できる業務の難易度や裁量が変わり、結果として次の市場価値にもつながっていきます。
3つ目は業界内でのポジションです。実績を「課題解決の再現性」として言語化できている人は、次の転職やヘッドハンティングの際にも、同じ資産をそのまま使い回せます。転職を一度きりのイベントではなく、継続的な市場価値の設計として捉える視点が大切です。
転職vs内部転換
ここまで転職を前提に話してきましたが、正直に言うと、内部転換でいいケースも普通にあります。
市場価値を測った結果、今の椅子と市場での評価に大きな差がないなら、無理に動く必要はありません。むしろ、社内での異動や役割変更によって「椅子を変える」ほうが、リスクを抑えながら市場価値を上げられることもあります。
転職はあくまで手段であって、目的ではありません。「転職すればうまくいく」という話ではなく、今の会社の中で椅子を変える選択肢と、外に出て椅子を変える選択肢を、同じ土俵で比較することが大事です。
転職判断の落とし穴
ここでは、転職後によく起きるギャップについても触れておきます。良いことばかり書くのは、正直フェアじゃないと思っています。
読者から聞いた話の中には、面接での印象と実際の企業文化が違っていて、「思っていたよりトップダウンだった」というケースがありました。企業調査の段階で、公開情報だけでなく、可能であれば社員の口コミや、面接以外の場での人事とのやり取りも見ておくと、こうしたギャップは減らせます。
また、評価基準の違いも典型的な落とし穴です。以前相談を受けた方の中には、前職では成果物の質が評価軸だったのに、転職先ではスピードとチーム貢献が重視される評価制度で、最初の半年は評価が伸び悩んだというケースもありました。入社前に、評価制度そのものを人事に確認しておくことは、決して失礼な質問ではありません。
配置ギャップも同様です。募集要項に書かれていたポジションと、実際にアサインされた業務が違っていた、という話もよく聞きます。これも、選考の中で「入社後、最初の半年で担当する業務のイメージ」を具体的に聞いておくことで、かなり防げます。
こうしたギャップは、事前の情報収集の量とほぼ比例します。感情的な勢いだけで決めた転職ほど、後からのギャップに苦しみやすいというのが、正直な実感です。
私の感想
正直に言います。僕自身、キャリアの転機は何度か経験してきました。教育業界の営業からHRコンサルティングの領域に移った時も、最初は市場でどう評価されるのか、正直まったく読めていませんでした。
その後MBAで学びながら気づいたのは、キャリアは「頑張った量」で評価されるものではなく、「どの椅子で、どんな課題を、どう解決したか」という構造で評価される、ということでした。この視点を持ってから、転職相談を受ける時も、まず相手の頑張りを否定せずに、その頑張りをどう市場の言葉に翻訳するか、というところから一緒に考えるようになりました。
詳しくは自分株式会社の別の記事でも解説していますが、市場価値の設計は一度きりのイベントではなく、継続的に見直していくプロセスです。転職はその手段の1つにすぎません。
だからこそ、この記事で伝えたかったのは「転職すればうまくいく」ということではなく、「構造を知ったうえで、自分で判断できるようになってほしい」ということです。それが、自分株式会社のCEOとして生きるということだと、僕は思っています。
ライト
ケニー
ライト
ケニー
ライト
結論
年収が上がらないのは、努力不足だからではありません。市場価値を「誰のどんな課題を解けるか」という立ち位置で語れていないこと、そしてその立ち位置を根拠に交渉していないこと。この2つが、構造的な原因です。
今の椅子でいくら稼げるかを知り、スキル×市場需要×ネゴ力で自分の値段を診断し、情報を複層化して交渉の材料を揃える。そのうえで、転職するか、内部で椅子を変えるかを、感情ではなく事実で判断する。それが、自分株式会社のCEOとしての戦い方です。
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